🗐 はころぐ(ざっくばらん)

(偏って増えてきたらそれは分けるつもりの範囲)

No.74

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>>73
世界の全てを憎んだ、ひとりの魔術師がいた。
己の故郷、国、のみならず、世界そのもの、この星さえも、
全て壊れて、消えてしまえと。
そう、願ってしまった。

しかし、彼は気が付いていなかった。
彼が修めた魔術には、そんなものは記されていなかった。
そう言ってしまえばそれまでの、とてもとても、些細な事柄。
憎しみで曇ったその目に、留まる物ではなかったのかもしれない、が。

この星は、己を護るための『抑止力』を持っている。
滅びの願いに抗うために、救いの願いを託す存在を喚ぶ力がある。

滅びを招くため喚び出された存在に自身を貪り食われながら、
彼の目に映った、最期の光景は……
空に輝き尾を描く、一筋の、小さな流れ星。

救済の光が届くより早く。
手を伸ばすことなど叶うはずもなく。
ああ、どうして今際の際に、天など見上げてしまったのだろう。
己の甘さと愚かさと、あまりの無力さを思い知らされながら、
その意識は蝕まれ、ゆっくりと、闇に閉ざされていった。

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